エンジニアから人事に異動してから2年が経った

Sansan Advent Calendar 2020 7日目の記事です。

技術系の内容にしようとも思いましたが、ちょっと色を出してみました。

 

2018年の12月、Webエンジニアから人事、中途採用担当に異動し、そこから2年が経ちました。いまは採用だけでなく人事データまわり全般だったりとか、人事系の社内システム開発とかもやってたりしています。この2年がどうだったか、簡単に振り返ってみます。

なお2年前のときの様子はこちら。

tkrtkhsh.hatenablog.com

 

まず、エンジニアとしての経験はいろんなところで活きました。

カジュアル面談

社内の技術について話せるということは、候補者の方の解像度を上げるために非常に有利です。

会社の説明をするときも、アーキテクチャ構成なんかを図に書きながらお話したりしていました。この取り組みを始めてからは、候補者の方からの食いつきが大きく変わりました。

さらに、エンジニアとしてプロダクトの魅力、事業の面白さを語れるのも良いことでしょう。技術的な話もそうですが、ここが共感してもらうことが何より大事で、喜ばしいことです。

エージェントさん、ダイレクトでのターゲット設定

どんなエンジニアを採用したいのか。人事側で言語化すると解像度は低いままになります。候補者が多く集まったところで、ターゲットとしている層でなければ意味がありません。

ただし、解像度が高ければいいというものではありませんので、バランスは大事です。はじめ数ヶ月は理想の人物像を明確に持ちすぎていたように思いますが、そんな理想にピッタリの人が現れることもなく、あまり意味が無かったなぁと思います。一方でこれはポジションにも依りますね。母集団が少ないからこそ、ペルソナを定めて攻めたポジションは、直近で見事にハマりました。

業務改善

これは本質的ではないのですが。

まず、非エンジニア組織にエンジニアが入ると、かなり非効率なことをやっているように感じるでしょう。いろんなことを自動化したくなります。しかし、そのうち意外と自動化できない業務がたくさんあることにも気づきます。このあたり納得感を得るまでには半年ほどかかったように思います。

で、業務に慣れてくると、「やっぱりここは自動化できるよね」とか「このデータとこのデータは繋げられるよね」ということが見えてきます。この見極めは丁寧に進める必要がありそうです。

アウトプットの機会

いろんな社外イベントでもお話させていただきました。これで全部かな?

登壇内容はまた改めてどこかで文面か資料で書き留めておこうかな。

 


 

さて、当然ながら楽しい話だけではありません。

成果が見えやすいようで意外とそうでもない

「~エンジニアをxxx人採用した」という事実は揺るぎませんが、それだけが成果ではありません。逆に「マッチしない候補者を採用しなかった」という事実は成果でしょうが、観測するのは非常に難しい。ここは営業と大きく違うところでしょう。

採用担当として何が良い働きだったか、も定義しづらいものです。採用は一人で行うものではありません。

結局自分の努力がどう貢献したのか、あるいは逆に努力してるのに成果が出てないのはなぜか、などと悩んだ時期もありました。忙しくなったら悩んでる場合ではないのですけどね。

採用担当としての優秀さがイメージしづらい

業務を回すだけであれば、ぶっちゃけ採用担当は簡単です。で、半年ほど経って慣れてきた頃、そこからの成長って何があるのかわからなくなることがありました。「結局最後は候補者が決めるんだから、そこをコントロールしようとするなんておこがましい」というようなことを思っていた気がします。それも低い解像度のなかでは合ってはいると思いますが、そこよりもまずやることがある。候補者の志向を理解し、自分たちが提供できる環境と照らし合わせ、それを最適な社員から最適なタイミングで伝える。その流れをアレンジすることは採用担当の難しさであり醍醐味です。営業の世界とかでもよく言われるであろうことですが、語ることよりも(つい語りたくなっちゃうんだけど)まず聞くことが大事。

忙しい

採用担当は忙しくしようと思えば思うだけ忙しくできる仕事です。

というのは、人力でやらなければならない業務が非常に多いということです。

最たる例は日程調整。マジで時間の概念にイノベーション起きてくれないかと思います。候補者の方も超面倒ですよね。

ほかにもメールの対応やエージェントとのコミュニケーション、スカウト、採用イベントなど、時間があったら丁寧にやりたいことなんていくらでも湧いてきます。その中で、自分がいまなにに注力すべきか。他の人に何をさせるべきか。何を捨てるべきか。を判断していくわけです。この見切りも最初のうちはかなり苦労しました。上で半年ほどで慣れたとか書いてましたが、このあたりの感覚を掴むのには1年くらいかかった気がします。

 


 

というわけで、こうしてみるとエンジニアとしての経験というのは採用担当にとって強みになるかというと、なるっちゃなるが、他の要素のほうがめちゃめちゃ重要です。そりゃそうなんですけど、採用担当のプロフェッショナル性の奥深さがようやく見えてきたという感じ。

これからは、どうなるかな。Data Driven HR の領域とか面白そうだし、採用観点でも世の中の属人性をなくすようなものが提供できないかとかも考えたりしています。

なんだか取り留めのない文章になってしまいましたが、私の現時点ということで。